top of page

2023年7月講演会参加者の声

執筆者の写真: Kana GraceKana Grace

更新日:2024年1月21日


A woman talking to the audience in front of a large screen showing her slide

2023年7月講演会では、参加していただいた皆さまにアンケートをお答えいただきました。皆さまのフィードバックをよく読ませていただきました。そして…皆さまのフィードバックをよく理解したかったので分析してしまいました(n=28)!(こんな完璧主義的なところもよくオーティスティック者には見られることです。そしてそれが自らを疲れさせ、苦しめてしまったりするわけです。)それはそうと、分析の結果を皆さまと共有したいと思います🙇‍♀️


参加していただいた方の大半がニューロダイバージェント当事者、当事者の家族、または当事者と関わる教育関係のプロフェッショナルでした。今回は当事者と関わる医療関係のプロフェッショナルの参加はありませんでしたが、今後彼らに向けた講演会もできたら良いなと思っています。


Reflexive thematic analysisという手法を使って、日本語・英語セッション参加者全てのアンケート結果(データ)をフィードバック・感想と今後の講演会へのリクエストの二つに分類して分析しました。簡単に説明すると、以下の6つのステップを通して分析をしました:1)データを何度も読んでデータに慣れる、2)データをコーディングする、3)コードをクラスター化しテーマを特定する、4)テーマを発展させる、5)テーマを洗練する、そして6)結果を書く。2から5では当日お手伝いをしてくれていた母にも参加してもらい、私の主観が結果に影響を与えないように気をつけました。引用文は、スペル・タイプミスも含めてそのまま掲載しています。


1. フィードバック・感想

フィードバックに関して、4つのメインテーマと5つのサブテーマを特定しました(図1を参照)。

図1. 講演会参加者のフィードバック・感想のthematic map

図1. 講演会参加者のフィードバック・感想のthematic map


テーマ1:感銘・感動

多くの参加者の皆様から、感銘を受けた、感動したという感想をいただきました:“moving” (英語セッション参加者10; 以下E10)。ValtameriのND者へのアドヴォカシー活動に感銘を受けたという方々もいました:「カナさんのような視点でこのような活動に取り組まれてることに感銘を受けています」(日本語セッション参加者2;以下J2)、「Valtaneri の素晴らしい活動に感謝して、賛同いたします」(J13)。「当事者が希望の持てるお話しだった」(J11)という方もいました。


テーマ2:学び

参加者の多くが講演会に来たことによって学びがあったと報告していました:“Very insightful and I learned some new terms” (E8)、「当事者であるかなさんが、ご自身の経験を包み隠さずにお話くださり…オーティズムについての知識を深めることができました」(J9)、「現在のautstic [autism]に対する考え方を学ぶことができ、今回の講義に参加できてとても良かったと感じております」(J7)。日本語セッションの参加者の方の間では、オーティズムとNDの理解の変革があったという感想をいただきました:「Autism についての捉え方、見方が大きく変わりました」(J3)、「オーティズムに対する考えを改めることができました」(J8)。


また、社会的モデルの視点に賛同するという意見もいただきました:「人ではなく、環境を変えるという考えに強く賛同しています」(J6)。


日本語セッションの参加者の方からは、オーティズムとNDのより深い理解を得たという方もいました:「今まで、疑問に思っていた事や思っても見なかったことの答えをいっぺんにもらったような気がして、一度頭の中を整理したいと思います」(J14)。


テーマ3:言葉の変更

私が講演の中で示したニューロダイバージェンスに関する言葉の変更に関して、賛同する声を多くいただきました。日本語セッション参加者の間では、自閉症ではなくオーティズムということ言葉を使うことに賛成だという意見が多数挙げられました:「今回の講演会で、もともとあまり好きでは無かった(自閉症)と言う言葉から、オーティズム、オーティスティックと言う言葉を知ることが出来たことが嬉しかったです。これから、自己紹介をする時は、『私はオーティスティックです。』と言う様にします。」(J10)。日本社会でのオーティズムという言葉の浸透を望む声もありました:「日本から自閉症という言葉がなくなってオーティズムに変換される日がすぐに来ますように」(J14)、「この言葉が日本でも浸透する様になればなと思いました」 (J10)。


また、ADHDに関して、講演の中ではAttention Deficit Hyperactivity Disorder(注意欠如・多動症)ではなくAttention Dispersion Hyperactivity Difference(注意分散・多動の違い)の方が適切だというお話をしました。ある参加者はこの新たなネーミングがとても気に入ったと報告してくれました:” I LOVE your renaming of ADHD changing Attention Deficit to Dispersion. Yes!” (E8)。


テーマ4:もっと話を聞きたい

日本語セッション参加者の方からは、もっと話を聞きたいという意見を多数いただきました:「またここで講演会をする機会があればぜひまた受講したいです」 (J5)、「もっと話を詳しく聞きたいと思いました」(J8)。


フィードバックのほぼ全てがポジティブなものでしたが、英語セッションの参加者の一人は、内容は非常に興味深いにもかかわらず、音が十分に大きくないというコメントをくださいました。講演中に気付かず申し訳ありませんでした。このフィードバックに感謝します。今後の講演会では、マイクを効果的に使用してより大きな声で話します。



2. 今後の講演会へのリクエスト

今後の講演会へのリクエストに関して、3つのテーマを特定しました(図2を参照)。

図2. 今後の講演会へのリクエストのthematic map

図2. 今後の講演会へのリクエストのthematic map


テーマ1:ND者の最善のサポート方法

多くの参加者から、ND者の最善のサポート方法を教えてほしいという要望がありました。今回は多くの保育施設の先生方が参加していたため、特に、小さい子どもたちをどのようにサポートすれば良いかを聞きたいという声が多かったです:“How to help and support children in early childcare education” (E6)、「ND のこどもたちについて、周りの人的、物的環境を最高のものにするにはのヒントが欲しいです」(J3)。加えて、ND成人におけるサポートについて聞きたいという方もいました:”Professional development; mentoring” (E10)。


テーマ2:ND当事者の経験事例

多くの参加者に、ND当事者の経験をもっと聞きたいという意見をいただきました:「当事者の方のお話(特徴や感じ方など)をお一人お一人聞いてみたいです」(J14)、“More example of actual encounter of these kind of people and how to meet their needs” (E14)。当事者の経験事例として、私(カナ)の個人的な困難とそれらへの対処、当事者の子どもの頃の経験、また当事者の家族からの話を聞きたいという意見がありました。


テーマ3:今後のValtameri・カナの動向

何人かの日本語セッション参加者からは、今後の動向が気になるという意見をいただきました:「もっと日本に浸透していってほしいので、その過程を見てみたいです」(J5)。

 


ご意見・感想を頂いた皆さま、ありがとうございました。みなさまのフィードバックを聞き・読み、講演会をやってよかったなと思いました。そして私の励みにもなりました😌これらを参考に、今後の講演会やワークショップを計画いたします! 


Kana

閲覧数:45回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comentários


bottom of page